【10年で180%増配!】日清食品(2897)を徹底分析|買い時の利回りは?

日清食品

  • 配当の増配も株価の成長も狙える株が欲しい
  • 銘柄の選び方もわからない、雰囲気で投資している
  • 買えば下がり、売れば上がる

そんな投資あるあるの悩みを解決します。

3,800社から”配当も株価も成長する株=よくばり株“を求めて、多くの失敗を経験しました。そんな私もコツコツ続けて投資歴10年年間配当40万円になりました。
失敗から学んだのは、

  • 丁寧な企業分析からの投資判断
  • 割高で買わないため、買い時を決める

の2つが大切だということでした。この記事では、実際に行っている企業分析をもとに、「投資判断」と「買い時」を紹介します。

日清食品は、誰もが知る即席めんのパイオニアであり、革新性とグローバル展開に強みを持つ食品メーカーです。投資判断および買い時は、「超優良企業」「配当利回り1.5%以上」となります。(2025年4月29日の利回り:約2.22%)

ゆず
ゆず

配当利回り1.5%は、高配当株投資として物足りなさを感じます。そのため、多くの高配当投資家は見向きもしない。しかし、日清食品のような超優良企業はポートフォリオの安定に貢献し、長期投資を支えてくれる。初心者の時、日清食品の含み益と配当金が私の心を支えてくれて、投資を続けることができました。

購入実績(2016年11月17日→2025年4月29日)

項目購入時現在成果
株価1,869円3,150円+68.54%
配当利回り1.44%3,74%+2.3%

*2023年に1株→3株の株式分割がありました。記事は、分割調整後の価格になります。

優良な配当株を見つける分析方法のヒントになるため、投資判断と買い時ついて解説していきます。

日清食品の分析と投資判断

会社概要:安定収益とグローバル展開のディフェンシブ企業

どんな会社?
日清食品は、インスタントラーメンのパイオニアとして世界的なブランド力を誇る食品メーカーです。主力の「カップヌードル」「チキンラーメン」に加え、近年は健康志向や完全栄養食品にも注力し成長領域を拡大中。
安定した収益基盤と強いグローバル展開力を持ち、食料品セクターに属するディフェンシブ銘柄として注目されています。今後の原材料費や物流コストの高騰による利益圧迫が懸念。
2030年までの新たな目標として、売上収益1兆円、既存事業コア営業利益1000億円、資産総額2兆円を設定している。

食料品セクターの特徴は?
  • 景気に左右されにくい 人は景気が悪くても食べ物は買うので、売上が比較的安定しやすい。
  • 価格転嫁力に課題 消費者の反発で価格を上げにくい傾向がある。日本でもインフレ進行。
  • 原材料価格の影響 コモディティ価格の変動でコストが上下する。
  • ブランド力が重要 競合が多いため、消費者に「選ばれる理由」が必要。
  • 海外市場への依存 国内は人口減少により縮小傾向。海外売上比率が規模拡大の鍵。

売上高:堅実に右肩上がり

売上高のチェックポイント
  • 売上は、事業活動の源泉。事業投資や配当金の原資となる。
  • 長期で右肩上がりが理想。
  • 右肩下がりや乱高下している企業は、減配リスクになる。

長期的に右肩上がりで増加しており、2018年以降は急激に成長してます。これは海外展開を進めていき、北米,欧州,アジアでの市場拡大していることが要因です。さらに、コロナによって巣篭もり需要が増えたことが、売上高を押し上げました。

EPS:安定して成長

EPSのチェックポイント
  • 1株あたりの当期純利益。企業の収益性を測る指標。
  • 事業活動は、最終的に利益のための活動。EPSを増やすのが企業の使命
  • 配当金の安定性,増配余力を測る上で重要長期で右肩上がりが理想。

以前は横ばいで推移していたが、2018年からは上下しながら右肩上がりで成長しています。売上高の増加と共に収益性も増やしていることがわかります。EPSの増加に伴って株価の上昇、将来的な増配に期待。

ROE: 2030年の目標を15%に設定

2030年を目処に15% “決算資料より”

ROEのチェックリスト
  • 自己資本あたりの当期純利益。資本に対して、利益の効率性を測る指標。
  • ROEが高いと増配の余力ができる。一般的に8%以上あると優秀
  • ROEが極端に高い場合、”小さい自己資本=借金過多”になっている可能性がある。

2018年までは基準の8%を下回り、成長をしていない。2019年から数値が上昇し、8%以上を維持しています。ROE 15%を目標に掲げているため、今後も期待して注視する。

PBR:やや高めの 1.95倍

PBR 1.95倍(2025年4月29日)

PBRのチェックポイント
  • 企業の純資産に対する株価倍率。株価の割安度を示す指標。
    例:1万円札の入った財布の価格が、1万円以下なら割安(PBR1倍以下)
  • PBR1倍以下の企業は、増配や自社株買いを行う可能性がある。

日本株全体の平均PBRは、1.2〜1.5倍程度。食料品セクターは、景気に左右されず安定しており、成長性も緩やかです。そのため、割高になりにくい業種だと考えています。それを踏まえて、1.95倍はやや高めな印象

自己資本比率:財務健全!60.7%

自己資本比率 60.7%(2024年4月29日)

自己資本比率のチェックポイント
  • 総資産の内、自己資本(借金でない)の割合。財務の健全性を示す指標。
  • 自己資本比率が高いほど健全性が高い。100%で無借金経営
自己資本比率評価
〜30%未満イマイチ。注意が必要な水準。
30%以上、60%未満通常の水準。
60%以上〜高水準。財務健全と言える。

一般的に30%を超えていれば、比較的に安定してると言える。日清食品は60%を超えており、高い水準で健全性が高い

配当金:10年で+180%に増配

配当金のチェックポイント
  • 右肩上がりで成長しているのが理想。(記念配当、特別配当は含めない)
  • 減配、無配転落をしていないか。非減配期間は長いほどいい
  • コロナショック(2020年)に減配していないと評価◎

右肩上がりで、順調に増加してます。2025年までの10年で、増加率+180%と大きく増配非減配期間は18年継続していて、安定性もあります。成長性も安定性もある。

配当性向:40%を目標

配当性向のチェックポイント
  • 稼いだ利益のうち、配当金として株主還元している割合の指標
  • 計算式 配当性向(%) = 配当金 ÷ 純利益 × 100
  • 75%以上だと高過ぎ、減配リスクが懸念。低ければ、増配や企業成長の余力がある。

配当性向 37.4%(2024年3月)

一般的な水準で、無理のない範囲で配当金を出してます。配当性向40%を目標にしているため、増収増益を続けることで安定した増配に期待。

配当方針:累進的配当制度

配当性向40%を目標にし、累進的配当を行う。“決算資料より”

配当方針のチェックポイント
  • 目標を定めているか、企業の姿勢が大事。決算資料説明書などから確認。
  • 累進配当制度やDOE制度があると◎。
  • 配当性向を目標にしている企業が多く、配当金が業績に連動することがある。

累進的配当を掲げており、業績の安定度も高い。そのため、基本的に減配リスクはない。

投資判断のまとめ

分析の内容をまとめた。

項目評価内容
食料品セクターディフェンシブ
売上高右肩上がり。
2030年に1挑円を目標。
EPS長期的な右肩上がりの傾向。
ROE直近は8%以上で高め。
2030年に15%を目標。
PBR1.95倍でやや高め。
自己資本比率60.7%の高水準で安定。
配当金右肩上がりで増額。
直近10年で+180%に成長。
配当性向直近37.4%。
配当性向40%を目標。
配当方針累進的配当で、減配リスクは低い。
ゆず
ゆず

各項目で、とても優秀な実績を積み上げています。業種による安定性は高く、ブランド力と海外展開力から今後の成長に期待。配当金と株価の増加が望める「超優良企業」です。

「1.5%以上」買い時を考える

コロナショックの底は配当利回り1.5%

リーマンショック(2008年),コロナショック(2020)の時でも、株価は大きく下がっていない右肩上がりで株価が成長している。コロナショックでの配当利回りは、1.5%が底になっていた。

10年間の配当利回りは、中央値1.3%

全体的に利回り1〜1.7%の間を上下している。下は1%に強い抵抗線がある、上は1.4〜1.5%に節目が集まっている。2024年度の大きな増配により、直近の配当利回りが上昇。1.5%以上に配当利回りは、28%(34ヶ月/120ヶ月)の割合になっている。

買い時のまとめ

  • コロナショック(2020年)の時、配当利回り1.5%
  • 1.4〜1.5%に節目が集中
  • 1.5%以上になる期間の割合は、28%(34ヶ月/120ヶ月中)
ゆず
ゆず

コロナ時の配当利回りと節目が集まっていることから、1.5%が意識されていると感じます。配当利回り1.5%以上のタイミングは10年中の28%になるため、決して割高ではない。そのため、日清食品の買い時は「1.5%以上」と決めた。


おまけ:株主優待は自社製品の詰め合わせ

  • 権利確定日:3月末
  • 優待案内発送:6月上旬
保有株式数優待内容
100株以上自社製品詰め合わせ
約1,000円相当
300株以上自社製品詰め合わせ
約3,000円相当
900株以上自社製品詰め合わせ
約6,000円相当
長期保有で7,500円相当
3000株以上自社製品詰め合わせ
約7,500円相当

まとめ:日清食品のポイント

■ 魅力ポイント

  • 安定した収益基盤を持つディフェンシブ銘柄
  • 「カップヌードル」など強力なブランド力とグローバル展開力
  • 10年で180%増という配当成長実績と、累進配当方針による安定性
  • 健全な財務体質(自己資本比率60%超)
  • 自社製品の株主優待制度

■ 懸念ポイント

  • 原材料費や物流コスト高騰による利益圧迫リスク
  • 国内市場の人口減少による成長鈍化の可能性
  • 海外売上比率が高いことによる為替リスク
  • PBRが市場平均よりやや高めな点
  • 価格転嫁に対する消費者の抵抗

投資判断は「超優良企業」、買い時は「配当利回り1.5%以上」。

ゆず
ゆず

割高を避けて買い時を待つことが大事。一方、買い時を逃さないために買い時価格でアラーム設定をしよう

アラーム例:配当金70円の1.5%以上→株価4,667円以下

また、次の記事で。

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