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【データで判断】配当株投資の「買い時」を解説|高値掴みを避ける分析法
- 高配当株は低成長、値上がりしないのは仕方がない?
- なぜか自分が買った株は、すぐに値下がりしてしまう
- 配当金をもらっても、含み損が大きくて素直に喜べない
私もかつて同じ悩みを抱えていました。そうした悩みの原因は、株を割高で買ってしまう「高値掴み」にあります。
高値掴みをしてしまうと、同じ投資額であっても配当金が少なくなり、株価の値上がりも期待できません。配当金と資産成長の両方にとってマイナスです。
私自身、多くの失敗を繰り返しながら、10年間投資を続けてきました。その経験から、再現性のある堅実な配当株投資を行なっています。2025年8月時点で、保有している48銘柄中45銘柄で含み益。

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この記事を読めば、もう買い時で悩むことはありません。
この記事では、高値掴みを避けるための「買い時の見極め方」と「購入ルール」を解説します。データ分析により根拠のある買い時を見極めることが、「高値では耐え、暴落時には買い向かう自信」になります。そして、ルールに基づいた購入方法が「株価がどっちに転んでも嬉しい、精神的に無敵の状態」を作り、冷静な判断を支えるのです。
一生使える投資の判断基準を身につけ、「高値掴み」とは無縁の投資を始めましょう。
配当株投資は、タイミング投資

まず、私たちが配当株投資を行う目的を確認します。
- 配当金で、”今”の生活を充実させること
- “将来”のために「配当金」と「資産」を守り、育てること
この”今”と”将来”のバランスを取るためには、下記の要素が不可欠です。
- 優良な企業を選ぶ
- 割安なタイミングで購入する
- ポートフォリオ(購入した企業の組合せ)の管理
この3つをそれぞれ繰り返すことで、再現性のある堅実な配当株投資になります。
この記事では、「割安なタイミングで購入するための考え方」を、徹底的に解説します。
優良企業の選び方とポートフォリオの管理は、それぞれリンク先の記事で解説。
「積立投資」では、ポートフォリオを管理できない
インデックス投資では、定額を積み立てる(ドル・コスト平均法)が推奨されます。
ドル・コスト平均法の特徴
- 投資タイミングを気にしなくていい
- 価格変動リスクが小さい
- 定額で無理なく始められる
しかし、購入株数が株価任せになるため、配当株投資にドル・コスト平均法は不向きです。配当株投資ではリスク分散のため「ポートフォリオを管理し、購入株数をコントロールして、受け取る配当金の比率を調整する」ことが重要です。
この問題を、簡単なシミュレーションで解説します。
積立では、配当金の割合が崩れる
【シミュレーション】企業Aの配当金がポートフォリオ全体の10%を目指し、毎月3万円を積み立てるケースを考えます。

次の3つのシナリオで株価が動いた時、積み立て後にどうなるかシミュレーションしました。

株価の動きによって、配当金の割合に差が生まれます。配当金の割合を調整するためには、積立条件を見直す必要があります。
- 目標をオーバーしたため、積立を止める
- 目標に近づいたため、積立額を減らす
- 目標と距離があるため、積立額を増やす
しかし、状況に応じて積立条件を変更するならば、もはや積立投資ではありません。配当金を目的に比率をコントロールするため、自然とタイミング投資になります。
👤「一番割安なタイミングを、ピンポイントで見極められるの❓」
その必要はありません。一番安くなったタイミングを狙って買うのではなく、「少なくとも割高なときに買わない」という考え方が大切です。
配当株投資は、「高値掴みを避ける」ことが重要

最安値を狙っていたら、回復して以前より高くなってしまった。
慌てて購入したら、高値を掴んで、その後マイナス…
というのは、投資あるあるです。
配当株の購入タイミングは、最安値を狙うことではありません。最も重要なことは、「高値掴みを避ける」これに尽きます。
頭と尻尾はくれてやれ!
「最高値で売ったり、最安値で買ったりするのはプロでも難しい。欲張らず、ある程度のところで売買する方が結果的においしい」という有名な投資格言です。この格言の重要性を、私の失敗談からお伝えします。
【失敗談】高値掴みをした、オリエンタルランド
妻がディズニー好きのため、投資を始めた頃からオリエンタルランドをチェックしてました。様子を見ていたら、株価が上がり50万→150万(100株)となって見送りへ。
しかし、2023年3月に株式分割(1株→3株)の分割で株価が1/3になり、購入できるタイミングが再び訪れました。
手が届くようになったら、欲がでてきました…
- 150万円だった株が、50万円前後で買えるのは割安
- 株式分割で、話題の今がチャンス
- 株主優待が欲しい
「今が最安値のチャンス」と考え、分割直後に妻が45万円で100株購入。尻尾を掴みにいったつもりが、掴んだのは高値の頭でした。

購入後しばらくは株価が上昇しましたが、その後株価は下がり続けて現在は12万円の含み損(-27%)を抱えています。

予定の株数を一括購入してしまったため、安くなった今から追加購入できません。
この失敗から、高値掴みを避けるために以下の2点を学びました。
- 根拠のある「買い時」を決め、話題性や目先の利益に惑わされない
- 最安値は誰にも分からないのだから、余力を残して購入する
データから「買い時」を見極める

高値掴みを避ける「買い時」を、決める方法を解説します。「通常の相場」と「パニック時の相場」における配当利回りを分析して、根拠のある買い時を配当利回りから特定します。
- 通常の相場における、高値掴みを避けた現実的な「配当利回り」を決める。
- 市場がパニックに陥っている、暴落時の「最大配当利回り」を確認する。
それぞれの方法を順番に解説します。
通常の相場で、買い時となる「配当利回り」を決める
実績配当利回りの推移から、買い時となる利回りを分析します。分析について、2つの方法を解説します。
- マネックス証券の分析ツール「銘柄スカウター」を使用した方法
- Python(プログラム言語)を使用して分析をした方法
銘柄スカウターを使用した分析
「銘柄スカウター」を使うことで、過去5年間の実績配当利回りをグラフで確認できます。グラフから「平均値」と「サポートライン(何度も反発している利回り)」を確認し、平均値より高いサポートラインで「買い時」を決めます。

チェックポイント
- 配当利回りの平均値
- サポートライン
Pythonを使用した分析
より本質的な「買い時」を見極めるため、10年間分のデータを用いて「最大配当利回りの推移」と「ヒストグラム」を分析します。
営業日毎の最大利回りを計算することで、推移をグラフにします。「各営業日で売買実績のある最大利回り」を重視して、「中央値」と「サポートライン」を確認します。
「特定したサポートラインの割安さ」を数値で評価する手段がヒストグラムです。「利回りごとに、売買実績のあった営業日をカウント」することで、サポートラインの利回り以上で「過去に売買実績のあった割合」を計算します。
要するに、今まで「買い時の利回りで、購入できた日は何日あったか?」統計的に割安度を評価します。

チェックポイント
- 中央値
- サポートライン
- 「買い時の利回り」で購入できた日は、10年間のうちで何日あったか
暴落時の「最大配当利回り」を確認する
市場全体がパニックに陥った暴落時の配当利回りは、「パニックのときでさえ、この利回りなら買いたいと判断した投資家がいた」歴史的な買い支えラインと言えます。
暴落の基準として、取引が一時停止されるサーキットブレーカーが発動した時を目安にしています。
サーキットブレーカーとは
株価が暴落したときに、強制的に取引を一時ストップさせる安全装置です。株価指数先物(日経225先物など)が、前日終値に対して±8%の値幅になると発動します。取引を一時的に中断することで、投資家に「冷静になる時間を与える」のが目的です。
サーキットブレーカーが発動した、下記タイミングの最大利回りを確認します。
- 2020年3月
新型コロナウイルスによるショック - 2024年8月
日銀の金融政策変更によるショック - 2025年4月
米国のトランプ関税によるショック
サーキット・ブレーカーの発動履歴 日本取引所グループ


リーマンショックのような10年以上前のデータは、企業の事業内容が現在と大きく異なる可能性があるため、参考程度にします。
買い時に「時間分散」で購入する

分析によって「買い時」を決めた次に、購入方法の戦略を解説します。一括で購入する限り高値掴みのリスクが残るため、購入タイミングを複数回に分ける「時間分散」をすることでリスクを避けます。
時間分散には、心理的メリットと数字的メリットの2つがあります。
- 心理的メリット
- 購入タイミングを複数回に分けることで、「株を保有しているけど、買い増しもしたい❗️」という状況にあえてします。
買い時の購入後…
- 株価が下がれば⤵️
- 👍「より安い価格で追加投資できる」からラッキー。
- 株価が上がれば⤴️
- 👍「安値で買うことができ、利益が出るから」からラッキー。
「どっちに転んでも嬉しい」状態になると、どのような状況でも精神的に安定することで冷静な判断ができます。
- 数字的メリット
- 株価が下落している相場において、複数回に分けて購入することで、購入額が平準化されて減少します。これにより、高値で掴んでしまうリスクをなくすことができます。
このようなメリットを得るために、追加投資の余力を残しながら買い向かう「時間分散」の視点が大事です。
購入を3回に分けて、機械的に行う
通常の相場でも、パニックで暴落している時でも、感情に流されない判断が大事です。事前に購入するルールを決め、機械的に行うことで判断ミスをなくします。
購入するルールの例
購入するA社について:買い時が配当利回り3.5%、その時の株価が100円。購入予定の株数が100株。
この場合、下記の3回のタイミングで購入を行います。
- 買い時の株価「100円」で、目標株数の50%「50株」を購入する
- 20%減少した株価「80円」で、目標株数の30%「30株」を追加購入する
- 40%減少した株価「60円」で、目標株数の20%「20株」を追加購入する
*「暴落時の最大利回り」に達したら、購入予定の株数まで購入します。

👤「買い時で1回目の購入(50株)をした後、株価が下がらない場合はどうするの❓」
とりあえず、そのままでOKです。無理に追わず、次の買い時を待ちながら、ポートフォリオのバランスを確認します。
- 3〜6ヶ月後
- ポートフォリオのメンテナンスを行い、改めて購入したい株数を決めます。次の買い時を待ち、新しい株数で「時間分散」を行って購入します。
- 増配が発表されたとき
- 増配があると買い時の株価が上昇します。新しい株価で、新しい株数を設定し、買い時を待ちます。
ポートフォリオのメンテナンス方法と購入する株数の決め方は、こちらで解説しています。
【実践編】KDDIを例に「買い時」を決める

ここまでの「分析」と「戦略」を、具体的に「KDDI」を例に実践します。
- 「買い時」となる配当利回りを決める
- 過去の暴落時における、「最大の配当利回り」を確認する
- 「時間分散」の購入ルールを確認する
「買い時」は、配当利回り 3.3%
「銘柄スカウターを使用する方法」と「Pythonプログラムで分析する方法」、それぞれの分析結果を解説します。
銘柄スカウターで、5年間の配当利回りを確認
銘柄スカウターの「株価指標」の中にある、実績配当利回りを確認します。過去5年分の平均利回りの推移が、グラフで確認できます。

- 5年間の平均値は、3.15%
- サポートラインが、2.6%,3.0%,3.1%,3.3%,3.6%
サポートラインから「買い時」を決めます。候補となるサポートラインが複数ある場合、「平均値以上」や「反発回数」といった状況から判断します。
- 配当利回り2.6% ×
- 最小値と同じため、買い時にはならない。
- 配当利回り3.0% ×
- 平均値以下。
- 配当利回り3.1% △
- ほぼ、平均値と同じ。
- 配当利回り3.3% ○
- 平均値以上で、買い時の候補になる
- 配当利回り3.6% △
- 平均値以上で、買い時の候補。2022年1月以降で購入できるタイミングはない。
上記から、買い時の配当利回りは3.3%になります。
買い時の分析に使用した「銘柄スカウター」は、マネックス証券の口座を開設するだけで、誰でも無料で使えます。
高値掴みとは無縁な投資の第一歩として、この機会に準備しておくことをおすすめします。
最短5分で口座開設!

買い時の分析だけじゃない。再現性の高い銘柄選びでも頼りになる万能ツールです。
Pythonで、10年間の最大配当利回りを確認
10年間分(営業日数:2464日)の最大利回りをグラフにし、中央値とサポートラインを確認します。各利回りの営業日数をカウントして、ヒストグラムを作成します。ヒストグラムからサポートラインと日数の割合を分析します。

- 10年間の営業日数 2464日
- 10年間の最大配当利回りの中央値 3.12%
- サポートライン 2.8%,3.3%,3.5%,3.7%
ヒストグラムによる分析を用いて、サポートラインの評価を行います。
- サポートライン 2.8% ×
- 中央値以下。
購入できた日数 2014日
2464日のうち、82%の営業日 - サポートライン 3.3% ○
- 中央値以上。
購入できた日数 837日
2464日のうち、34%の営業日 - サポートライン 3.5% △
- 中央値以上。
購入できた日数 579日
2464日のうち、23%の営業日 - サポートライン 3.7% ×
- 中央値以上。
購入できた日数 283日
2464日のうち、11%の営業日
購入できた営業日の割合が多いと(40%以上)、高値掴みと言えます。一方で、割合が小さいと機会損失につながります。
上記から、KDDIの買い時は、配当利回り3.3%となります。

Pythonを使った買い時の分析は、各銘柄の詳細記事で公開します。
暴落時の最大利回りは、4.3%
サーキットブレーカーが発動した、各時期の最大利回りを確認します。チャートから各月の最安値を調べ、その年の実績配当利回りから「最大の配当利回り」を確認します。

- 新型コロナウイルスによるショック
- 2020年3月 4.3%
- 日銀の金融政策変更によるショック
- 2024年8月 3.3%
- 米国のトランプ関税によるショック
- 2025年4月 3.3%
ここ最近の暴落は、配当利回り3.3%まで下落しています。2020年3月の新型コロナウイルスによる暴落時には、より大きく4.3%まで下げました。
購入タイミングの株価を計算する
分析から「買い時」を3.3%に設定し、「時間分散」による購入タイミングを考えます。KDDIの2025年予定配当金80円(1株あたり)から、各タイミングの株価を計算します。
- 買い時のタイミング
- 配当金80円、利回り3.3% → 株価2,424円
- 買い時から20%下落のタイミング
- 株価2,424円、20%下落 → 株価1,939円
【暴落時の最大利回り】配当金80円、利回り4.3% → 株価1,860円 - 買い時から40%下落
- 株価2,424円、40%下落 → 株価1,454円
KDDIの「買い時」まとめ
分析してきたKDDIの「買い時」をまとめると次になります。
- 買い時は、配当利回り 3.3%
- 暴落時の最大利回りは、4.3%
- ①買い時のタイミング
- 配当金80円、利回り3.3% → 株価2,424円
- ②買い時から20%下落のタイミング
- 株価2,424円、20%下落 → 株価1,939円
- ③暴落時の最大利回り
- 配当金80円、利回り4.3% → 株価1,860円

⚠️情報提供が目的で、特定銘柄を推奨しておりません。投資判断は、自己責任でお願いします。
【Q&A】配当株投資のよくある疑問

配当株投資で、よくある疑問についてQ&A形式で簡潔にお答えします。
Q1. 買い時が数年来ない時は、どうすればいい?
A. 基本的に待ちます。買い時が数年来ないことは、よくあります。
投資経験のあまりない方は、まず「買い時を一切考えずに1株だけ買ってみる」ことをオススメします。目的は利益ではなく、株を持つことで投資を「自分ごと」として経験を積むことです。
Q2. 配当株は、いつ売ればいい?
A. 原則は売りません。とは言え、下記のようなときに売却を検討します。
①お金が必要になったとき
投資は余剰資金で行うことが鉄則ですが、万が一お金が必要になってしまったときに売却を検討します。
②減配が続いたとき
安定した配当金を目指しているため、減配が続くようなら手放すか考えます。単発の減配ならば、様子を見ます。
③不祥事(粉飾決算など)があったとき
企業から発表されている業績を基に投資先を選んでいます。その業績データが不正されていたなど、根底がひっくり返る裏切りがあった場合、即座に売却します。
まとめ|買い時を知れば、高配当でも資産は増える

この記事で解説した「高値掴みを避けるポイント」は、次の3つになります。
- ポイント1:データで「買い時」を見極める
- 雰囲気や感情ではなく、過去の配当利回りという客観的なデータから「割安なタイミング」を判断する。
- ポイント2:ルールを決めて「時間分散」で買う
- 「どっちに転んでも嬉しい」状態を作ることで、精神的な余裕が生まれ、冷静な判断ができます。
- ポイント3:感情を捨て、機械的に実行する
- 決めたルールを淡々と実行することこそが、長期的な成功への秘訣です。
この記事で手に入れた判断基準は、これからの投資家人生における一つの柱です。単に高値掴みを避ける「守り」の知識ではありません。「買い時」で投資することは、資産を増やす「攻め」の戦略です。
まずは一歩を踏み出す
完璧を目指すより、はじめの一歩を踏み出すことが大事です。
👤「理論は分かったけど、いざ投資するとなると怖い…🌀」
もしも、そのように感じているなら、まずは1株だけ買ってみることをオススメします。1株でも株式を持つことで投資が「自分ごと」になり、経験を積んで恐怖心が自信に変わります。1株から始める配当株投資の始め方は、下記で紹介しています。
初心者でも簡単にできる!配当株投資の始め方【5つのステップ】
次のステップへ
この記事で「いつ」買うべきかの軸が固まったはずです。次のステップとして、「優良な企業の選び方」と「管理方法」を学び、”今”と”将来”を豊かにする配当株投資をはじめましょう。
では、また。
【再現性あり】失敗しない配当株の選び方|初心者がハマる高配当の罠を解説