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- 配当金も株価も成長する優良企業を見つけたい
- NTTの買い時がいつなのか知りたい
- NTTより優秀な競合がいるのかを確認したい
配当利回りと知名度・話題性で、投資先を決めていませんか?
私は高値づかみ…含み損…減配…と失敗を繰り返してきました。雰囲気で投資先を決め、企業の抱えるリスクを見落としてきたのが原因です。
企業分析・買い時分析・競合比較をおこなうことで、根拠に基づいた投資の重要性を学びました。10年間投資を続け、保有する48企業中45企業でプラス、含み益+500万円を達成しています(2025年8月時点) 。

この記事では、NTTの「企業分析」「買い時分析」および「競合比較」について徹底解説します。
最後まで読めば、企業の本質的な価値と競合との優劣を見極める具体的な方法がわかります。高値掴みを避け、再現性のある堅実な配当株投資を始めましょう。
NTTは携帯キャリアのdocomoをメインに、固定回線・データセンター不動産と幅広い分野へ事業を広げています。NTT法によって、政府が筆頭株主になることが定められている国策企業です。
分析の結果「優良企業」、買い時は「配当利回り3.5%以上」となりました。
▼NTTの企業分析
| 項目 | 評価 | 内容 |
|---|---|---|
| 情報・通信セクター | ー | ディフェンシブ |
| 売上高 | 優秀 | 右肩上がり |
| EPS | 優秀 | 右肩上がり |
| ROE | 良 | 10.0% |
| PBR | イマイチ | 1.41倍 |
| 自己資本比率 | 良 | 34.0% |
| 配当金 | 優秀 | 14期連続増配 |
| 配当性向 | 良 | 43.5% |
| 配当方針 | 優秀 | 増配の継続を基本方針 |
▼NTTの買い時分析

- 買い時 3.5%
- 3.5%以上で購入できた日数は、484日
10年間(2,465日)のうち、20%の営業日
▼NTTの競合比較
| 項目 | NTT | KDDI | ソフトバンク |
|---|---|---|---|
| 概要 | 9432 プライム | 9433 プライム | 9434 プライム |
| 売上高 | 右肩上がり | 右肩上がり | 右肩上がり |
| EPS | 右肩上がり | 右肩上がり | 横ばい |
| ROE | 10.0% | 13.2% | 20.6%*注意 |
| PBR | 1.41倍 | 1.93倍 | 4.04倍 |
| 自己資本比率 | 34.0% | 30.4% | 17.0% |
| 配当金の推移 | 連続的に増配 | 連続的に増配 | 増減なし |
| 配当性向 | 43.5% | 42.8% | 78.3% |
| 配当方針 | 増配の継続を基本方針 | DPS成長 | 高水準の継続を方針 |
【初めての方へ】2つの分析方法を解説

NTTの解説をする前に、私がおこなっている2つの分析方法について紹介します。
配当株投資で成功するために、分析をおこなう目的は次の2つです。
- 企業分析から、優良な企業を選ぶ
- 買い時の分析から、高値掴みをしない購入タイミングを決める
上場企業約4,000社の中から、「配当金も株価も成長する優良企業」を見つけます。売上高やROEなどを項目ごとに分析し、基準値を満たす企業を選びます。
どれだけ優良企業であっても、高値掴みは配当金と資産の成長にとってマイナスです。高値掴みを避けるため、データに裏づけられた買い時を判断します。
「企業分析」で優良企業を見つける
4000社ある膨大な日本企業の中から、分析する価値のある有望な企業だけに絞り込みます。
5つの条件で、足切りをおこなう
- ROE(自己資本利益率)8%以上(収益性)
- 自己資本比率 20%以上(財務健全性)
- 配当性向 50%以下(配当金の持続性)
- 配当利回り 2%以上(最低限のリターン)
- 平均売上高成長率 0%以上(成長性)
この5つの条件は、「配当金」と「資産」の成長を狙うための最低ラインです。企業の「稼ぐ力・安定性・成長性」をバランス良く見ることで、優良企業の候補を効率的に見つけ出します。
次に、候補の中から下記の項目をチェックし、それぞれ評価をおこないます。
| 項目 | 優秀 | 良 | イマイチ or NG |
|---|---|---|---|
| 売上高 (企業の収入) | 安定した右肩上がり | ジグザグでも右肩上がり | 右肩下がり |
| EPS (稼ぐ力) | 右肩上がり | 横ばい | 右肩下がり |
| ROE (収益性) | 12%以上 | 10%以上 | 8%以下 |
| PBR (純資産に対する割安さ) | 1倍以下 | 1倍〜1.3倍 | 1.3倍より上 |
| 自己資本比率 (財務健全性) | 60%以上 | 30%以上 | 20%未満 |
| 配当金の推移 | 連続した増配傾向 | 増配傾向 | 減配実績あり |
| 配当性向 (増配余力) | 30%以下 | 50%以下 | 50%以上 |
| 配当方針 | DOE、累進配当 | 配当性向を目標 | 設定なし |
売上高・EPS・配当金の推移を重視しつつ、多くの項目で良い評価を獲得している企業が、優良企業となります。ROE・PBRや自己資本比率は、ビジネスモデルが影響するため業種による傾向があります。1社の分析だけで判断せず、競合比較することが重要です。

長期的に安定かつコツコツ成長している企業を評価します。
企業分析の詳細については、下記の記事で解説しています。
【再現性あり】失敗しない配当株の選び方|初心者がハマる高配当の罠を解説
「買い時の分析」で、高値掴みを避ける
優良企業を厳選したうえで、高値掴みを避けることが重要です。10年間の配当利回りを2つの方法で分析して、根拠のある買い時を配当利回りから特定します。
- 10年間の全体を分析:高値掴みを避けた買い時を決める。
- 暴落時の分析:暴落時の最安値、「最大配当利回り」を確認する。
10年間分ある配当利回りのデータは、Pythonで解析しています。
10年間の全体を分析
各営業日の最低株価と実績配当金のデータを使用して、「最大配当利回り」と「ヒストグラム」をグラフ化します。
「買い時の利回りで購入できる日は、10年間で何日あったか?」を統計的に評価し、高値掴みをしない「買い時」を決めます。
- 最大配当利回りのグラフ
- 10年間の配当利回りにおける、中央値とサポートライン(投資家に意識されている利回り)を確認
- ヒストグラム
- 利回りごとの営業日をカウント。サポートライン以上で、購入できた日数の割合を計算する。
▼参考例:グラフとチェックリスト

- 中央値
- サポートライン
- 買い時の利回りで、購入できた日は何日あるか
次に、暴落時の最大利回りを確認します。暴落の基準として、サーキットブレーカーの発動を目安にしています。
暴落時の分析
サーキットブレーカーが発動した、下記タイミングの最大利回りを確認します。
- 2020年3月
新型コロナウイルスによるショック - 2024年8月
日銀の金融政策変更によるショック - 2025年4月
米国のトランプ関税によるショック
株を購入するタイミングは、10年間の分析で決めた買い時まで、株価が下がったときです。買い時からさらに株価が下がったときに、追加で購入をおこないます。暴落時の最大利回りになるまで株価が下がった場合、購入予定の株数まで購入します。

高値掴みのリスクを避けるため、購入するタイミングは3回に分散します。
買い時と購入タイミングの分散については、詳細を下記の記事で解説しています。
【データで判断】配当株投資の「買い時」を解説|高値掴みを避ける分析法
NTTの企業分析

NTTの企業分析について解説します。最初に足切り条件を確認します。
▼足切り条件で、NTTを評価
| 項目 | NTT | 基準 | 合否 |
|---|---|---|---|
| ROE | 10.0% | 8%以上 | 収益性 |
| 自己資本比率 | 34.0% | 20%以上 | 財務健全性 |
| 配当性向 | 43.5% | 50%以下 | 配当金の持続性 |
| 配当利回り | 3.28% | 2%以上 | 最低限のリターン |
| 平均売上高成長率 | 6.7%(10年) | 0%以上 | 成長性 |
(2025年10月20日)
NTTは、足切り条件をすべて合格しています。投資に適した優良企業か、より詳細を分析して判断します。
NTTの概要:成長を続けるグローバル企業
NTTは、情報通信技術(ICT)を基盤として、事業を多岐に拡大しながらグローバルに展開している巨大な企業グループです。NTTグループは、NTT株式会社を持株会社とし、992社の子会社と151社の関連会社で構成されています。
- 総合ICT事業:携帯電話、国内/国際通信サービス、システム開発
- グローバル・ソリューション事業:ネットワークシステム、クラウド、グローバルデータセンター
- 地域通信事業:国内電気通信事業における県内通信サービスの提供
- その他:不動産事業、エネルギー事業など
デジタル化やAIの普及にともなう電力消費の増加は、社会の課題かつ成長機会と捉え、戦略的に投資を推進しています。NTTの核となる成長戦略は、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想です。 IOWNは、超高速・大容量、超低遅延、低消費電力を実現し、AI社会を支えることを目指しています。
NTTの特徴
- スマートライフ事業の強化
- 金融サービスの利便性向上を重要な課題としています。dカードやd払いといった既存サービスに加え、住信SBIネット銀行を連結子会社化しました。決済・保険・投資・融資といったサービスをモバイル回線と一体で提供することを目指しています。
- 成長投資の拡大
- 2023年度からの5年間で、IOWN、データセンター、電力・エネルギー、スマートライフ、不動産、AI・ロボットといった成長分野に、従来の50%増となる約8兆円の投資をおこなう計画です。
- データセンターの事業拡大
- グローバル・ソリューション事業の強化のため、NTTデータグループを完全子会社化しました。データセンター資産の運用モデルとして「NTT DC REIT」を設立し、財務健全性の維持と成長資金の確保を図っています。
- 国策企業の1社
- 民営化された現在でもNTT法によって、「政府(財務大臣)がNTTの発行済株式の3分の1以上を常に保有すること」が義務付けられています。政府が筆頭株主となり、全国的なインフラ事業をおこなうため、経営の収益性と安定性が担保されています。

法律で定められた企業として、日本たばこ産業(JT)と日本郵政があります。こちらで比較。
- 競合にはない多くの強みを保有
- IOWNや量子コンピューターの開発による技術優位性
- NTT版大規模言語モデル「tsuzumi」は2024年3月にサービス開始
- 5G必須特許シェアにおいて通信事業者としては世界トップクラスの地位を確保
NTTの属する通信事業者セクターについて解説します。
情報・通信セクターの特徴は?
- ディフェンシブセクター
- 通信回線は生活に不可欠なインフラです。景気影響を受けにくい業種。
- 収益の安定性が高い
- 契約数に応じて毎月の利用料が入るため、収益が安定的になる。
- 参入障壁が高い
- 通信網の整備に莫大な初期投資が必要なため、新規参入が非常に困難。価格競争が起きにくく、高い利益率を維持しやすい構造です。
- 成長分野への多角化
- 国内の通信事業は成熟市場。各社エネルギー、金融、DXといった非通信分野へ事業を多角化することで、成長を目指しています。
- 積極的な株主還元
- 安定したキャッシュフローを背景に、増配を長期間続けている企業が多いです。
NTTの業績を押し下げる懸念点は、以下の通りです。
- 先行投資の実現性に関する懸念
- 成長分野へ約8兆円の大規模な投資を進めています。リターンが実現するまでの期間や、既存事業の効率性低下が懸念されます。
- NTT法と政府による影響
- 政府による規制に関する決定や法改正は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与えます。2025年5月にNTT法が改正されました(日本経済新聞)。
- エネルギー費用の増加
- NTTグループは年間80億kWh以上の電力を利用しており、AI活用等でさらなる増加が想定されています。再生可能エネルギー賦課金や炭素税制度の導入は事業に大きな影響を与えます。
売上高◎:2024年期、最高売上高を更新
売上高のポイントをチェック【Click🔍】
売上高は、企業の成長性を示す指標であり、事業投資および配当金の源泉です。株価および配当金の成長性を判断する上で、安定した売上の成長が重要。
- ◎:長期で連続した綺麗な右肩がり
- ○:長期で右肩上がり
- ×:成長していないor減少傾向

売上高 13兆7,047億円(2025年3月期)
長期的に安定し、右肩上がりで成長しています。2024年期の売上高は、過去最高を更新。
EPS◎:右肩上がりで成長
EPSのポイントをチェック【Click🔍】
EPS=純利益÷発行済み株式数
1株あたりの利益を示す指標。
企業の使命は、EPSを成長させることです。事業投資などで純利益が下がると、一時的にEPSも下がります。EPSの成長は増配期待につながるため、長期での増加傾向が重要。
- ◎:一時的な上下があっても増加傾向
- ○:横ばいで推移
- ×:減少傾向

EPS 12.1円(2025年3月)
上げ下げはあるが、長期的に右肩上がり。中期的には、これまでと同程度の伸びを目標にしています(統合報告書)
ROE○:8%以上を安定して維持
ROEのポイントをチェック【Click🔍】
ROE=純利益÷自己資本×100
自己資本をいかに効率的に使って利益を出しているかを示す指標。
ROEが高いほど「収益性」の高い企業、日本企業の平均ROEは8〜9%(大和総研)です。一方、自己資本が少ない(=借金過多)ため、ROEが高い場合に注意。
- ◎:12%以上
- ○:10%以上
- △:8%以上
- ×:8%未満

ROE 10.0%(2025年3月)
2016年以降、安定して8%以上を継続しています。2022年3月期には最大で15%の高収益。
PBR△:5年平均値の1.41倍
PBRのポイントをチェック【Click🔍】
PBR=株価÷1株あたりの純資産
企業の保有する純資産に対して、株価の割安さを示す指標。
PBR1倍以下は、企業の純資産に対して企業価値が低い状態(例:1万円の入った財布が、1万円以下で売られている状態)。PBRが高い場合でも、企業評価として問題はない。
東証はPBR1倍以下の企業に改善策を要請している(日本経済新聞)。そのため、1倍以下の企業は、企業価値を上げるために増配や自社株買いが期待できます。
- ◎:1倍以下
- ○:1〜1.3倍
- △:1.3倍より上

PBR 1.41倍(2025年3月)
2024年以降、PBRが減少した。直近は5年平均値と同程度になる。
自己資本比率○:34%前後を安定
自己資本比率のポイントをチェック【Click🔍】
自己資本比率=純資産÷総資産×100
企業の「財務健全性」を示す指標。
自己資本比率が高いほど借金が少なく倒産リスクが低いため、不況時でも配当を維持しやすい安定性があります。大規模な事業投資により一時的に借金が多くなることがあるため、傾向も合わせて確認することが重要。
- ◎:60%以上
- ○:30%以上
- △:20%以上
- ×:20%未満

自己資本比率 34.0%(2025年3月)
2018年をピークに自己資本比率が減少。2021年以降、34%前後を安定して維持。
配当金◎:14期連続増配、10年で2.9倍
配当金のポイントをチェック【Click🔍】
配当金は、配当株投資における最終目標。
長期で安定的に成長している企業を厳選。原則、過去に減配や無配転落をしていない企業を選びます。ただし、世界的な経済ショック(コロナショックなど)により、短年のみ減配している企業は、よく分析して判断します。
- ◎:安定的、連続的な増配傾向
- ○:断続的に長期で増配傾向
- ×:減配or無配実績がある

1株配当金 5.2円(2025年3月)
14期連続で増配を達成、15期連続増配予定。10年で2.9倍(1.8円→5.2円)に成長した。
増配率(10年平均)
増配率を計算した結果、10年平均増配率(CAGR)は11.3%です。
▼10年平均増配率(CAGR)の計算式
11.3%=(5.2円÷1.8円)(1÷10年)−1
配当性向○:30%〜40%を維持
配当性向のポイントをチェック【Click🔍】
配当性向=配当金の支払い総額÷純利益×100
配当金の継続可能性を示す指標。
減配することなく継続が可能か、増配する余力が残っているかを判断します。配当性向100%で利益の全てを配当金に当てている状態、100%以上で借金or貯金から支払っている状態です。
- ◎:30%以下
- ○:50%未満
- ×:50%以上

配当性向 43.5%(2025年3月)
長期的に30%〜40%程度を継続。配当金の継続性は高い。
配当方針◎:継続的な増配を実施
配当方針のポイントをチェック【Click🔍】
企業と株主の約束であり、企業の還元姿勢を確認します。IR資料をチェックし、意味のある配当方針を掲げていること重要です。配当金の維持や成長に関連した方針を評価し、「安定的な配当を継続する」といったお気持ち表明の方針は評価しません。
- ◎:累進配当制度やDOE制度など
- ○:配当性向を目標にしている
- ×:明確な配当方針がない

継続的な増配の実施を基本的な考え(2024期、決算説明資料)
安定した増配を掲げ、15期連続の増配予定。配当性向の目標がないため、EPSや配当性向の推移から、配当金の継続性を確認することが重要。
企業分析のまとめ:安定して成長する優良企業
ここまでの分析内容について、まとめます。
| 項目 | 評価 | 内容 |
|---|---|---|
| 情報・通信セクター | ー | ディフェンシブ |
| 売上高 | 優秀 | 右肩上がり |
| EPS | 優秀 | 右肩上がり |
| ROE | 良 | 10.0% |
| PBR | イマイチ | 1.41倍 |
| 自己資本比率 | 良 | 34.0% |
| 配当金 | 優秀 | 14期連続増配 |
| 配当性向 | 良 | 43.5% |
| 配当方針 | 優秀 | 増配の継続を基本方針 |
売上高・EPS・配当金が、右肩上がりで成長しています。特に売上高と配当金は、安定かつ連続して成長中。継続した増配を基本方針に掲げています。今後、配当金の持続性を判断するため、配当性向を注視します。
NTTは、配当目的の投資先として「優良企業」です。成長性・収益性・安定性が、バランス良く揃っています。
NTTの筆頭株主は政府になる国策企業の一つです。全国のインフラ事業を担っているため、収益性と安定性の高さが強みです。一方で、NTT法の改正により、良い方にも悪い方にも大きく影響を受ける不確実性が懸念材料です。
- NTTにおこなった優良企業を見つける企業分析は、【銘柄スカウター】で効率的になります。銘柄スカウターの使い方10選はこちら。
NTTの買い時分析

NTTの配当利回りを分析し、買い時を決めます。
- 10年間の全体を分析:高値掴みを避けた買い時を決める。
- 暴落時の分析:暴落時の最安値、「最大配当利回り」を確認する。
買い時は、配当利回り3.5%以上
10年間で、取引可能な営業日は2,465日ありました。配当利回りの中央値は3.08%です。配当利回りの反発ポイントおよびヒストグラムの裾から、サポートラインを設定します。
- 中央値より下のサポートライン:2.8%
- 中央値より上のサポートライン:3.2%、3.5%
それぞれの配当利回りで、分析をおこないます。

- サポートライン 2.8% ×
- 購入できた日数:1,751日
10年間(2,465日)のうち、71%の営業日
→71%の購入タイミングは多い、高値掴み - サポートライン 3.2% △
- 購入できた日数:1,112日
10年間(2,465日)のうち、45%の営業日
→45%の購入タイミングは少し多い、若干割高 - サポートライン 3.5% ○
- 購入できた日数:484日
10年間(2,465日)のうち、20%の営業日
→買い時と判断

買い時分析の結果、3.5%を買い時としました。
暴落時の最大利回りは、4.2%

暴落時につけた株価の最安値から、最大利回りを計算します。暴落の基準として、サーキットブレーカーが発動したときの最大利回りを確認します。
- 新型コロナウイルスによるショック
- 最大利回り:4.2%(2020年3月)
- 日銀の金融政策変更によるショック
- 最大利回り:3.6%(2024年8月)
- 米国のトランプ関税によるショック
- 最大利回り:3.9%(2025年4月)

暴落時の最大利回りは、新型コロナショック時の4.2%までの下落です
まとめ:【2025年度版】購入タイミングの株価
買い時分析の結果、下記の配当利回りが決まりました。

- 買い時:3.5%(484日、20%の営業日)
- 暴落時の最大利回り:4.2%(2020年3月)
分析した配当利回りから、NTTの購入タイミングとなる株価を計算します。2025年度の予定配当金1株あたり5.3円を使用。
- 買い時 3.5%
- 配当金5.3円、利回り3.5% → 株価151.4円
- 暴落時の最大利回り 4.2%
- 配当金5.3円、利回り4.2% → 株価126.2円
買い時の株価151.4円になったら、1回目の購入をおこないます。その後、暴落時の最大利回りになる株価126.2円まで下がることを意識し、タイミングを分散して購入します。
- タイミングを分散する購入方法について、こちらで解説しています。
NTTの競合比較

NTTの競合企業として、KDDIとソフトバンクを比較します。
- KDDI(9433)
- auブランドの携帯キャリアが事業の中核です。ほかにも金融、エネルギー、DXなどに注力し、事業領域を多角化させています。23期連続増配を達成し、日本で7番目の連続増配記録を更新中。
- ソフトバンク(9434)
- ソフトバンクブランドの携帯キャリアがメイン事業。投資持ち株会社のソフトバンクグループとは別の企業です。LINEやYahoo!と連携して、広告・金融事業の成長に注力しています。
それぞれの業績や特徴を比較します。
▼NTTの競合比較
| 項目 | NTT | KDDI | ソフトバンク |
|---|---|---|---|
| 概要 | 9432 プライム | 9433 プライム | 9434 プライム |
| 売上高 | 右肩上がり | 右肩上がり | 右肩上がり |
| EPS | 右肩上がり | 右肩上がり | 横ばい |
| ROE | 10.0% | 13.2% | 20.6%*注意 |
| PBR | 1.41倍 | 1.93倍 | 4.04倍 |
| 自己資本比率 | 34.0% | 30.4% | 17.0% |
| 配当金の推移 | 連続的に増配 | 連続的に増配 | 増減なし |
| 配当性向 | 43.5% | 42.8% | 78.3% |
| 配当方針 | 増配の継続を基本方針 | DPS成長 | 高水準の継続を方針 |
2025年10月時点
各社の特徴や強みをまとめます。
- NTT
- 14期連続増配を達成し、継続した増配が見込まれる。収益性を比較すると見劣りするも、ROE10%は十分高収益。国策企業であり、IOWN・量子コンピューター・5G・大規模言語モデルといった技術力が強み。
- KDDI
- 23期連続増配を達成。DPS成長を掲げており、今後も安定成長に期待できます。ROE13.2%と高収益でありながら、業績も右肩上がりのため、成長の継続性が高い。
KDDIの企業分析について、こちらで詳細を解説しています。 - ソフトバンク
- 20%を超える高いROEは、借金が多く自己資産が少ないのが理由。配当金の増減がなく、配当性向が78.3%と高水準にある。今後、配当金の維持・成長ができるかが、懸念材料。
比較から、NTTおよびKDDIは業績・配当金が安定成長しており、ともに「優良企業」です。一方ソフトバンクは高配当・低株価・株主優待から人気のある企業ですが、配当性向が高く、財務面に懸念があるため注意が必要です。
おまけ:株主優待はdポイント

NTTは、株主優待を設けています。(NTTの株主優待ページ)
*2023年7月に1株→25株の株式分割をおこなっています。

株主優待でもらえるdポイントは、最大で4,500ptです。
まとめ:NTTは優良企業

最後に、今回の分析の結論をまとめます。
【👍魅力的なポイント】
- ディフェンシブ:売上高・EPS・配当金が安定して右肩上がりに成長
- 連続成長:14期連続増配の実績と、継続的な増配を掲げる配当方針
- 成長分野へ投資:IOWN構想やデータセンターなど、積極的に投資を実施
【⚠️注意すべきポイント】
- 投資の不確実性:約8兆円の大規模投資が、計画通り収益に結びつくか不確実
- 政治の影響:NTT法改正や政府の政策が経営に与える影響
- エネルギーコスト:AI活用などで増加が予想されるエネルギー費用
【📝投資判断】
分析の結果、NTTは「優良企業」です。成長性・収益性・安定性がバランス良く揃っており、長期的な配当金と株価の成長が期待できる投資先候補です。
【⏳買い時】
買い時は「配当利回り3.5%以上」(株価151.4円 ※2025年度配当5.3円の場合)です。この水準は10年間で20%の営業日しか到達しておらず、高値掴みを避けられます。
今回のような詳細な企業分析は、難しく感じるかもしれません。しかし、適切なツールを使えば、誰でもスマホ1台10分で優良企業を見つけ出すことができます。
この記事の分析も、マネックス証券の「銘柄スカウター」を活用しています。無料で使える強力なツールなので、あなた自身の力で次のNTTを見つけるために、ぜひ使い方をマスターしてみてください。
また、次の記事で。
⚠️当サイトは、情報提供が目的であり特定銘柄を推奨しておりません。投資判断は、自己責任でお願いします。
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【補足】国策企業の比較
NTTと同様に法律で政府保有が定められた国策企業として、日本たばこ産業(JT)と日本郵政を比較します。
- JT(2914)
- JT法に基づき「政府が株式の1/3超保有を義務付けられた会社」です。国内たばこ事業を独占しており、強固な収益基盤があります。高配当株銘柄として人気のある一方、配当性向が高い企業です。
- 日本郵政(6718)
- 日本郵政は日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命を傘下に持つ、持株会社です。郵政民営化法により「政府が発行済株式の1/3超を保有する」ことが義務付けられています。
▼国策企業の比較
| 項目 | NTT | JT | 日本郵政 |
|---|---|---|---|
| 概要 | 9432 プライム | 2914 プライム | 6718 プライム |
| 業種 | 情報・通信 | 食料品 | サービス |
| 売上高 | 右肩上がり | 横ばい、近年上昇傾向 | 右肩下がり |
| EPS | 右肩上がり | 横ばい | 右肩下がり |
| ROE | 10.0% | 4.72% | 3.83% |
| PBR | 1.41倍 | 2.30倍 | 0.47倍 |
| 自己資本比率 | 34.0% | 45% | 3.1% |
| 配当金の推移 | 連続的に増配 | 減配あり | 増減なし |
| 配当性向 | 43.5% | 192.2% | 41.9% |
| 配当方針 | 増配の継続を基本方針 | 配当性向75%を目安 | 50円の配当 |
