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- 子供の教育費がかかるし、投資にお金を回す余裕なんてない…
- もし追加投資をストップしたら、配当金はもう増えないの?
- インフレが続いた場合..インデックス投資だけで老後は安泰?
こんな不安や疑問を抱えていませんか?
「娘の教育資金」について話をしているとき

追加投資をしない場合、10年後や老後の配当金はいくらなの?
と聞かれて、計算することにしました。
私が保有する全48銘柄について、10年間の増配率(CAGR)を計算。各社の増配率を配当金で加重平均し、「ポートフォリオ全体の増配率(CAGR)」を出しました。

結論から言います。
ポートフォリオの増配率は「13.46%」でした。
この数字を見た瞬間、私達は目を疑い、将来に対する向き合い方が変わりました。目標インフレ率の2%を遥かに上回り、年々使えるお金が増えるからです。
配当株はインデックス投資と相性がいい投資方法です。インデックス投資の定額取り崩し(4%ルール)は、キャッシュフローがインフレに弱い側面があります。増配する配当金と組み合わせることで、弱点を補完できます。
この記事では、あなたのポートフォリオの未来像を示すために必要なことを解説します。
- 「増配率」の計算方法(CAGRと前年比平均の計算方法)
- ポートフォリオの増配率を自動計算するスプレッドシートの公開と使い方
- 私の「実績」と「配当金のシミュレーション」を紹介
最後まで読めば、将来の漠然とした不安が和らぎ、配当金が成長する複利の力を確認できるでしょう。
増配率を「CAGR」で計算

配当金の増配率を計算する方法は、主に2つあります。
❶CAGR(年平均成長率)
開始時と最終時の配当金額から、長期的な成長を平均して計算する方法

▼特徴
- 長期トレンド:一時的なノイズに左右されず、長期的な傾向を計算できる
- 計算が簡単:開始時と最終時の配当金データから計算可能
- 過程が隠れる:途中の減配や記念配当の増減は数字から見えない
❷前年比平均
前年からの増配率を計算することで、単年の増減率を平均する計算方法

▼特徴
- 詳細な変動:短年の増減を把握できる
- 計算が大変:計算する全年の配当金データが必要
- ノイズの影響:一時的な減配や記念増配の影響を大きく受ける
ポートフォリオ管理に使うべきは「CAGR」で計算した増配率です。
知りたいのは短期的な増減ではなく、企業が本来持っている長期的な成長力。計算が容易で、複利効果を含めた長期トレンドを把握できるCAGRを使用します。
👤「配当金は、複利的に成長するの❓」
●●円増配!と聞くと、単利的に増えると感じるかもしれません。 しかし、理論的にも実績的にも、配当金は複利で増加していることが分かっています。
▼日経の配当金推移(ZAiオンライン)


日本企業の配当金も複利で成長しています。
CAGRと前年比平均を比較
KDDIと商船三井で増配率を計算し、比較します。2社とも配当目的の投資先として人気ですが、特徴の異なる配当金推移をしています。
① KDDI:安定成長

KDDIは、23期連続で増配を続けています。急激な変動が少ない、安定した右肩上がりで成長している企業のCAGRと前年比平均を計算します。
- CAGR 9.9%
- 前年比平均 10.1%
安定した企業であれば、どちらの計算方法でも大きな差は出ません。
② 商船三井:増減が大きい

商船三井の配当金は安定せず、一時的に跳ね上がり、その後減配。ジェットコースターのような増減をしています。増配率の大きさではなく、CAGRと前年比平均の差を確認します。
- CAGR 31.4%
- 前年比平均 95.5%
「前年比平均 95.5%」を見ると、配当金が毎年倍増するかのように感じます。これは2021年から2022年の間で、+700%の増配をおこなっているのが原因です。前年比平均では単年の異常値に平均値が引っ張られ、実際の成長と乖離が生まれています。
CAGRで長期的な成長を確認する
前年比平均が悪い指標というわけではありません。前年比平均は「瞬間的な企業の勢い」や「市況の変化」の分析に優れています。
しかし、知りたいのは、
「10年後、30年後に配当金がどう成長しているか」という未来の到達地点。
一時的なノイズを取り除き、「成長の実力値」を計算できるCAGRを使って、長期的な増配率を計算します。
【公開】ポートフォリオの増配率を計算

👤「増配率(CAGR)は分かったけど、ポートフォリオの増配率はどう計算するの❓」
ポートフォリオの構成は、人によって異なります。受け取る配当金額に応じて、各企業の増配率を加重平均して算出します。
加重平均とは
データの量(重み)を考慮する平均計算です。


オルカンやS&P500は、時価で加重平均しています。
加重平均では「受け取る配当金額が大きい(重みがある)企業の増配率が、より強く影響」します。そのため、ポートフォリオの構成に適した増配率の平均を計算できます。
👤「配当金に応じた『加重平均』なんて、計算無理…わけわからん🌀」
そこで、誰でも簡単にポートフォリオの増配率を計算できるスプレッドシートを公開します。
保有している銘柄コードと株数を入力するだけで、増配率(CAGR)と加重平均を自動でおこない、ポートフォリオの増配率(CAGR)を計算します。
👉 【ポートフォリオの増配率計算シート(スプレッドシート)】
- 配当金額のデータは、「IRBANK」のCSVデータを参照しています。(いつもありがとうございます💦)
⚠️利用上の注意事項
- 定期的にメンテナンスをおこなっていますが、情報が最新ではない可能性があります。
- スプレッドシートの計算結果やランキング・グラフをWEB公開する場合、当サイトのリンクをお願いします。
- 連絡はお問い合わせからお願いします。
スプレッドシートの使い方【5ステップ】
スプレッドシートの使い方を解説します。
- 1.コピーの作成
- リンクをタップ後、【コピーを作成】をタップ

- 2.銘柄コードと保有株数を入力
- 【ポートフォリオ】のシートをタップし、【銘柄コード】と【保有株数】を入力。

100社まで入力が可能です。入力後、自動で銘柄名、配当金、増配率、加重平均増配率が反映されます。
- 3.分析をおこなう期間を入力
- 増配率の計算をする【開始年】と【最終年】を入力。

- 4.【ポートフォリオのグラフ】シートをタップ
- ポートフォリオの【銘柄コード】と【保有株数】を入力後、【ポートフォリオのグラフ】シートをタップ。

配当金が出ていない場合は、#N/Aと表示されます。#N/Aがある銘柄は、自動で計算から除外されます。
- 5.計算結果を確認する
- ポートフォリオの情報を確認します。

- 【最終年】の配当金額の合計
- ポートフォリオの加重平均増配率
- 増配率 銘柄ランキング
- ポートフォリオの増配率 寄与度ランキング
- 配当金の増配シミュレーション
私のポートフォリオの実績公開

それでは実際に、このツールを使って計算した「私のポートフォリオの実績を公開」します。
現在、48銘柄に分散して、ポートフォリオを構成しています。2014年から2024年まで、10年間の増配率を計算します。



全48社の増配率は、こちらにまとめています。
ポートフォリオの増配率は13.46%
スプレッドシートに保有銘柄を入力し、計算をおこなった結果がこちらです。

最初計算間違いかと思い、2度計算しました。インフレ率目標2%、長期でのオルカン年率約7%を超える成績を叩き出しました。
さらにスプレッドシートで確認できる2つのランキングを公開します。
▼保有企業の増配率ランキング
| 順位 | 増配率(10年) | 銘柄 |
|---|---|---|
| 🥇No.1 | 40.34% | 竹内製作所 |
| 🥈No.2 | 28.46% | ムゲンエステート |
| 🥉No.3 | 27.03% | ニチリン |
| No.4 | 25.18% | ヨータイ |
| No.5 | 21.88% | クイック |
▼ポートフォリオ増配率への寄与度ランキング
| 順位 | 寄与度[%] | 銘柄 |
|---|---|---|
| 🥇No.1 | 1.13% | ニチリン |
| 🥈No.2 | 0.75% | 日本特殊陶業 |
| 🥉No.3 | 0.73% | オリックス |
| No.4 | 0.70% | ムゲンエステート |
| No.5 | 0.68% | ヒューリック |
このランキングからは、ポートフォリオの運用方法をブラッシュアップすることができます。
増配率ランキングの上位には、成長の質が高い企業が理想です。配当性向が低く、高い増配率を維持してくれば、ポートフォリオが著しく成長します。
寄与度ランキングの上位には、累進配当や非減配期間が長い企業が理想です。寄与度が大きい分、減配時の影響が甚大。安定した企業の寄与度を増やします。
追加投資先やポートフォリオのリバランスを検討する際、参考になる情報になります。
10年後、配当金は3.5倍に成長
増配率「13.46%」から、妻の質問「追加投資をしない場合、10年後や老後の配当金はいくらになるの?」に答えます。 2024年の配当金「約42万円」を増配率13.46%で成長し続けた場合のシミュレーションです。

- 10年後の年間配当金: 149万円
- 30年後の年間配当金: 1,860万円
追加投資を一切しなくても、配当金がこれだけ増える可能性があります。「資産を取り崩さなくても、キャッシュフロー自体が成長する」このことは、インデックス投資ととても相性がいいです。
4%ルール(定額取り崩し)
米国のトリニティ大学で研究された、「開始時資産の4%を、毎年定額で取り崩す」方法です。普通ならば25年で資産が枯渇しますが、運用しながら取り崩すことで、より長持ちします。
しかしながら、4%ルールには明確な弱点があります。インフレにより年々購買力が減少し、生活が苦しくなっていくリスクがあります。

インデックス投資と配当株投資を組み合わせることで、安定かつ成長するキャッシュフローを作ることが可能です。

私も2つの投資方法を組み合わせています。
増配率を過信せず、企業分析することが大事

CAGRで計算した増配率は、長期的な成長性を評価する上で有力な指標です。しかし、「隠れたリスク」があるため、過信してはいけません。
▼CAGRの注意点⚠️
- 減配実績が隠れる
- 途中で「減配」をしていても、増配率からは見えない。(例:JTの過去の減配実績など)
- 成長の質は評価できない
- 直近で大きく増配したケースは、実力以上の増配率に見えます。逆に、増配が鈍化している場合、増配率を下回る成長にとどまる可能性があります。
この「隠れたリスク」を避けるためには、丁寧な企業分析が大事です。
見つけた優良企業の中から、増配率で厳選する
「配当金を安定して生み出し、配当金も企業自体も成長していく」このような優良企業を見つけます。中でも配当金に関係する指標として、下記をチェックします。
- 配当金の推移
- 増減が激しくないか、減配実績がないか。成長の質を直接確認します。
- 配当性向
- 利益に対して、無理に配当金を出していないか。成長の持続性をチェックします。
- 配当方針
- 配当金に対する企業の姿勢を確認します。連続増配や累進配当といった、安定成長に向けた具体的な方針の有無をみます。
注意すべきなのが、「連続増配」という記録だけを見て投資することです。
「花王」は、日本最長の35期連続増配を誇る企業です。しかし近年、配当金の成長が鈍化しています。
- 配当金の推移:連続で増配しているものの、増配の幅は小さくなっている。
- 配当性向:2020年以降、常に50%以上。最大で159.3%まで悪化しています。
- 配当方針:「安定的・継続的な配当」と掲げているが、具体的な施策はない。
花王の詳細は、下記で解説。
【花王】日本最長の35期連続増配に潜む罠|配当金の成長性を分析
企業を選ぶため、正しい手順で探すことが重要なポイントです。
- 企業分析から「配当金を安定して生み出し、配当金も企業も成長する優良企業」を見つける
- 優良企業の中から、増配率(CAGR)の高い成長企業を厳選する
まずは上場4,000社の中から、優良企業を見つけ出します。優良企業を見つける具体的な方法は、ブログ内で解説しています。
【再現性あり】失敗しない配当株の選び方|初心者がハマる高配当の罠を解説
優良企業を見つけるには「銘柄スカウター」が最強
優良企業を見つける企業分析には、マネックス証券の「銘柄スカウター」が非常に強力なツールです。
- スマホ1台で、誰でも10分程度の隙間時間で優良企業を探せる
- 過去10年以上の配当金や配当性向がグラフ化され、一目で確認できる
- 口座開設することで、無料で使える(有料ツールは、2,780円/月かかる)

欠点として、銘柄スカウターで配当方針を確認できません。そのため、各企業のIR資料から配当方針を確認します。
👤「すでに他で証券口座を持っているし、これ以上増やしたくないな…🌀」
そう思われる方も多いかもしれません。
しかし、株主優待投資家として知られる桐谷広人さんや、Youtubeリベラルアーツ大学の両学長をはじめ、多くの経験豊富な投資家は戦略的に複数の証券口座を使い分けています。
複数の証券口座を持つべき理由と銘柄スカウターのオススメの使い方は、下記の記事で解説しています。
【オススメ】使うだけで100万得する!マネックス証券の銘柄スカウター使い方10選
まとめ:増配率からポートフォリオの行き先を確認しよう


増配率のポイントをまとめます。
- 企業の増配率をCAGRを用いて計算する
- スプレッドシートを使って、ポートフォリオの増配率や寄与度を確認する
- ポートフォリオ運用を見直し、企業探しの参考にする
ポートフォリオの増配率が13.46%と高くなったのは、最近の積極的な株主還元姿勢のおかげです。今後もトレンドは継続し、「株主還元を維持できる企業」と「できない企業」に分かれると考えています。
質の高い増配を継続できる優良企業を、配当金推移・配当性向・配当方針から厳選することが重要です。ぜひ、スプレッドシートを使って、自分のポートフォリオの「増配率」を計算してみてください。きっと、新しい気づきが見えるはずです。
👉 【ポートフォリオの増配率計算シート(スプレッドシート)】
【参考】ポートフォリオの増配率一覧
| 銘柄名 | 保有株数 | 10年の増配率 | 寄与度[%] |
|---|---|---|---|
| ムゲンエステート | 100株 | 28.5% | 0.70% |
| めぶきFG | 1,000株 | 11.6% | 0.33% |
| 日本特殊陶業 | 100株 | 19.3% | 0.75% |
| オリックス | 200株 | 15.7% | 0.73% |
| 第一生命 | 400株 | 18.9% | 0.51% |
| ニチリン | 100株 | 27.0% | 1.13% |
| ENEOS | 500株 | 3.2% | 0.08% |
| JT | 200株 | 6.9% | 0.63% |
| 日本プロセス | 100株 | 9.7% | 0.09% |
| ジョイフル本田 | 100株 | 14.9% | 0.18% |
| コスモスエネルギー | 20株 | ※ | ※ |
| クイック | 100株 | 21.9% | 0.16% |
| ARE | 100株 | 11.6% | 0.25% |
| 王子 | 100株 | 4.8% | 0.02% |
| 澁澤倉庫 | 200株 | 11.1% | 0.13% |
| 三洋貿易 | 100株 | 12.5% | 0.16% |
| センコー | 100株 | 9.0% | 0.08% |
| 日清オイリオ | 100株 | 13.0% | 0.52% |
| ヤマハ発動機 | 300株 | 14.1% | 0.50% |
| 大和ハウス工業 | 100株 | 11.1% | 0.38% |
| ビーアール | 100株 | 21.5% | 0.07% |
| 日本ケアサプライ | 100株 | 12.3% | 0.20% |
| 三井住友FG | 90株 | 8.4% | 0.16% |
| ヨータイ | 50株 | 25.2% | 0.25% |
| TOYO TIRE | 50株 | 10.3% | 0.15% |
| 三菱HCキャピタル | 100株 | 16.5% | 0.15% |
| 学究社 | 100株 | 8.1% | 0.17% |
| 竹内製作所 | 20株 | 40.3% | 0.30% |
| MS&AD | 100株 | 17.0% | 0.36% |
| キムラユニティー | 200株 | 8.2% | 0.11% |
| アジア航測 | 100株 | 20.2% | 0.21% |
| 三菱商事 | 100株 | 11.9% | 0.20% |
| エクシオグループ | 100株 | 17.5% | 0.25% |
| 芙蓉総合リース | 30株 | 19.5% | 0.20% |
| 日東富士製粉 | 50株 | 14.1% | 0.31% |
| ヒューリック | 300株 | 17.8% | 0.68% |
| 住友倉庫 | 100株 | 15.5% | 0.37% |
| 住友精化 | 100株 | 10.3% | 0.49% |
| あさひ | 100株 | 14.1% | 0.15% |
| 日清食品 | 300株 | 10.3% | 0.49% |
| トヨタ自動車 | 100株 | 8.6% | 0.15% |
| NTT | 2,500株 | 11.6% | 0.35% |
| KDDI | 100株 | 12.4% | 0.21% |
| ポーラ・オルビス | 100株 | 1,1% | 0.01% |
| ユニ・チャーム | 100株 | 5.6% | 0.02% |
| コタ | 133株 | 9.9% | 0.06% |
| ホットランド | 100株 | ※ | ※ |
| トリドール | 200株 | 8.4% | 0.04% |
| アイスタイル | 100株 | ※ | ※ |
※2014年時の配当金がないため、計算から除外
